２日目－１ 燕山荘の日の出

山小屋の朝は早い。４時を過ぎると、あちらでもこちらでも、ごそごそと出発の準備をする音が聞こえてくるので自然に目が覚める。窓のない部屋だったので、天候がわからない。


支度を済ませ外に出てみるとまだ日は昇っていない。人の邪魔にならない位置につき、太陽の出る場所を予想して待つ。
今日の日の出は４時４５分。しかし４７分になっても出てこない。

なかなか出てこないとよそ見をしてしまう。太陽の出るあたりに目を戻すと、出た、４８分。

太陽は昇り始めると早い。

もう半分以上出たが、上の方が雲に隠れ始めた。

上も下も切れた太陽。

下も出たが上半分は雲の中。

どんどん雲に吸い込まれていく。

ついにすっぽり雲に隠れてしまった、４時５２分。

西の空を振り返ると高い雲に満月が沈んでいく。

「かへり見すれば月かたぶきぬ」などと悠長なことは言っておられない。隠れてしまう前に撮らねば！

太陽が再び現れたのは４時５６分。もう赤くない。

燕岳はところどころモルゲンロートに染まっていた。

「１回目の朝食は４時４５分からです。満席になると次は５時半になります」と、昨日受付の人に言われていたが、日の出を優先した。
小屋に戻るとまだ空席があった。朝食は小屋で食べない人が多いようだ。