2010/08/24

2日目-7 大天井の分岐へ2

その後似たような小ピークが幾つかあったが、その西斜面に道が付けられていたので、あまり登り下りせずに歩くことができたが、いつまでたっても切り通し岩まで行けないのだった。
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こんな登山道は普通距離が稼げて短時間で移動できるのだが、8時7分に2699mのピークを左に巻いて以来、時間だけががどんどん過ぎていく。
そして見ながら尾根歩きを楽しむはずだった槍はまだ雲の中。いや、小槍が見えているので、これから姿を現すかも。
しかし、ここからは大天井に隠れてしまったので、大天井の頂上に着くまで槍は見られないのだった。
やっと小ピーク群を通り過ぎ、喜作レリーフのある切通岩までやってきた、8時46分。
ここは斜めに進むクサリ場の後ハシゴがある。元気な高校生はハシゴを跳ぶように駆け下りた。
平らな場所は数歩歩くと登りの階段(というよりハシゴに近い)に行き着く。
『山が楽しくなる地形と地学』には高瀬川断層についての記事がある。燕岳と野口五郎岳などの峰々との間を流れる高瀬川は横ずれ断層でできたもののようだ。断層は東鎌尾根へ繋がる水俣乗越の東側を そのまま南へ走るが、途中で分かれてこの切通岩まで達している。つまり切通岩は断層の両側の岩が切ったように露出していて、その間は破砕帯でもろかったために鞍部となったということだろう。
しかし通っている間は早く槍が見たいがために、そんなことを思い出している余裕はなかった。
ハシゴを幾つか通って、なくなった後は岩をよじ登って登山道は右へと続く。
すぐに緩やかな道となり、蛇篭が積まれた横を通り、
分岐に到着、8時55分。大下りの頭から1時間半のところを1時間50分もかかってしまった。
ここから槍ヶ岳へ向かう表銀座コースから分かれ、 大天井を目指すが、まず休憩。
先ほどの切通岩の反対側が見えた。
そして今日歩いて来た道。切通岩までの平坦な道が長かった。
剱岳もまだなんとか見えている。
高瀬川断層は立山の内蔵助谷から黒部湖の東-針ノ木岳の剱寄りの凹み-高瀬川と通っているらしい。
この区間の花


※参考文献
「山と高原地図37 槍ヶ岳・穂高岳」 (2010年 山と渓谷社)

「山が楽しくなる地形と地学」(広島三朗 1991年 山と渓谷社)