忘れへんうちにの記事が増えたため、「山の記憶」に載せていたものを、こちらに「山の思い出」として順番に移しています。
若い頃、山や上高地に行くのは初夏の頃だけだった。その頃は夏の花を見ることができなかったので、夏山に行きたいと思ったものだった。その当時よく見た花はニリンソウやツバメオモトなどの花だった。
それらに混じって咲く花にツクバネソウがあった。4枚の葉が輪生するツクバネソウは見てすぐにそれとわかった。大きさは4枚の葉を両手で取り囲めるかどうかくらいだった。
今回残念ながら4枚葉のツクバネソウの写真が出てこなかったが、8枚葉のクルマバツクバネソウの写真が見つかった。クルマバツクバネソウはツクバネソウより後に発見したと記憶している。クルマバツクバネソウはツクバネソウよりも少し大きい程度だった。
帰宅後図鑑を見ると双方とも「ユリ科ツクバネソウ属」に属していることがわかった。その2つの写真の下にキヌガサソウの群生写真があったので、キヌガサソウも同じような大きさだろうと思っていた。
もちろん見たかったが、夏に咲くのか、同じ時期に行っても見ることはできなかった。その後夏山に登るようになったが、どこにも見つからない幻の花だった。
クルマバツクバネソウの蕾


これが初めて見るキヌガサソウだったが、あまりにも大きくて「立派」とは思えても「きれい」、まして「可憐」などという言葉は出てこなかった。



白馬尻の話 白馬尻で見たキヌガサソウ