2010/08/26

2日目-9 大天荘から大天井頂上へ

頂上まで10分。大天荘の裏から登り始める。小屋の人は水の管理をしているようだ。
地図はこちら
緩斜面をカーブしながら登っていく。
ふと見ると、左側にハイマツの向こうに槍が顔を出していた。やっと槍を見ることができた。
少し登っただけで槍のY字雪渓も見えてきた。
右側には来し方が見える。結局、為右衛門吊岩がどこにあるのか、どこから見てもわからなかった。
槍・穂高が一望できる。涸沢や梓川も見えている。東鎌尾根へと続く喜作新道のある尾根も現れた。
高瀬ダムも。そうそう高瀬川は断層になっているのだった。『山が楽しくなる地形と地学』は、この断層を南にたどると、針ノ木岳から船窪岳に至り、不動沢を経て高瀬川から高瀬川に沿ったまっすぐな谷になっていますという。
針ノ木には断層の破砕帯が見えている。針ノ木の向こうはどうなっているのだろう。針ノ木と立山連峰の間には黒部ダムがある。
黒部川第4ダムの建設の際に、資材運搬用に掘られた大町トンネル。赤沢岳の下を掘り進むうちにグズグズに破砕された岩石の層と、すさまじい量の湧き水のために工事が遅々として進まなかったということです。この破砕帯の犯人が高瀬川断層と呼ばれている横ずれ断層です。断層線がいつも谷間を形成しているとは限らないという。
左側には槍・穂高と大天井の間に西岳の尾根が大きく見えてきた。
大天井岳頂上への登りは、ここからはずっと槍ヶ岳を左に見ながらの贅沢な歩きとなる。
早く頂上へ行って槍ヶ岳を見たいが、今見ておかなければまた雲に隠れてしまうのではないかという思いが速度を鈍らせる。
そしてやっと大天井頂上へ、9時50分。12分ならまあまあかな。
この区間の花


※参考文献
「山と高原地図37 槍ヶ岳・穂高岳」 (2010年 山と渓谷社)

「山が楽しくなる地形と地学」(広島三朗 1991年 山と渓谷社)