8時44分、左側から登ってくると、明るくなってきた。尖った岩がごろごろして歩きにくそうだなと思ったら、この谷を横切って右手に道がついていた。8時55分、高い木々の間にまっすぐな道がついている。ここも傾斜はゆるい。9時2分、道が広くなった。視界がひらけるとほっとする。歩き始めて2時間だ。そろそろ広河原と呼ばれているあたりについてもおかしくない。やっぱりここが広河原だろう。前の2人は広河原を抜けてまた樹林帯に入るようだ。樹林帯に入ってキバナノコマノツメを写す。この辺りは、大雨の時は川となりそうな道だ。両側が高くなっている。というより、人が通ったり、水の流れで道が掘れている。だから、小さな花でも見つけやすい。
白い花が目に入ったが、今までよく見たズダヤクシュだろうと通り過ぎる時にふと目に止まった。それはオサバグサだった。北アルプスの蝶ヶ岳 を下山中、花の終わったものを見て以来だ。花があちこち散っているのが残念!
そして、この森には4弁のイチゴと5弁のイチゴが群生していたが、写真に撮ったのは5弁の方だけ。
9時13分、暗い森を歩く。歩きやすいが、まだ行者小屋が見えないことが気になり始める。再び白河原のように開けてきた。前方にガスの中から赤い山肌が現れた。赤岳は赤かった、9時25分。また樹林帯に入る。そしてまた開けてきて、右前方にカラフルなテントが幾つか見えてきた。行者小屋は近い!テント場を目指して歩いていると、左手にいきなり山小屋が出現した。やっと行者小屋に到着、9時32分。山の地図では南沢への分岐から行者小屋まで2時間となっている。登山計画をたてるとき、登りの場合は1時間につき10分足すことにしている。2時間なので2時間20分、ということは計画通りに歩いてきたのだ。
この区間に出会った花々