2008/08/29

2日目-4 駒津峰頂上からの眺め

栗沢山の右には、徐々に見えてきた北岳がすっかり姿を現した。北岳は日本で2番目に高い山。昔は標高が3192mだったが、いつのまにか3193mになった。地図はこちら 摩利支天は甲斐駒の一部、というより、もっと大きな頂上だったのが削られて、今の甲斐駒の頂上と摩利支天が残ったみたい。 甲斐駒は花崗岩の岩峰だが、北岳と同じ白根層群の駒津峰には土もある。南北に長い尾根が見えてきた仙丈は赤石層群(『山が楽しくなる地形と地学』の「仙丈岳付近の地質」図より)という。 針葉樹から広葉樹のダケカンバになったが、急登は依然として続く。黄色いリュックのおっちゃんは駒津峰の直登が始まってすぐに我々を追い越していったので健脚そうだったのに、途中で長々と休憩してからは、我々とどっこいどっこいのペースとなってしまった。ここの急登はやっぱりきついのだろうか。 直射日光に当たるようになって昔山男は疲れが見え始めた。7月の御嶽山では暑くなかったし、重いおっちゃんカメラも忘れてきて身軽だったために、そこそこの時間で登り下りできて自信を回復していたのに。
あの上が頂上だろうか。見えているところが頂上と思って頑張ったのに、着いたら頂上はもっと上だったということはよくある。駒津峰がそうでないことを祈るばかり。 直登の駒津峰だけあって、期待を裏切ることなく、かすかに見えたところが頂上だった。追い越され、また追い越されながらも、予定よりも早く到着、8:49。1時間30分のところを5分オーバー。休憩に15分みていたのと、朝の出発が早まったので、計画の9:35着を大幅に上回った。 しばらくの間山々の展望を楽しむ(甲斐駒から時計回り)。

南には鳳凰三山の地蔵・観音(観音の向こうの薬師は見えていない)とそれに続く赤薙ノ頭・高嶺。高嶺から広河原へのバス道への荒れた下山道には往生しました。レンゲショウマを見つけたけど。
高嶺の右には富士山が幽かに見えていると思うのだが、誰も富士山の名を出さない。違うのだろうか? 白峰(しらね)三山の北岳・間ノ岳(農鳥は見えない)。95年夏、まだまだ健脚でない頃に縦走した山々。こちらから見ると北岳らしくない形だ。間ノ岳も大きな山で、その登りにばてて、先行く昔山男がたびたび振り返りながら呆れていたのを思い出す。
塩見は山という文字を横長に形象したような形なのでよくわかる。南アルプスの真ん中あたりにあって、展望するときの指標としている山。
塩見と目の前の仙丈を繋ぐ長~い縦走路が仙塩尾根。もちろん通ったことはない。  中央アルプスは木曽駒ヶ岳は雲の中。その向こうに御嶽山も見えている。 もう少し右に目を向けると鋸岳の昨日とは全く違う姿があった。その向こうには槍・穂高。八ヶ岳を写すのを忘れていた。雲に隠れていたのかも。

この区間の花

※参考文献
「山と高原地図41北岳・甲斐駒 南アルプス」(2008年 昭文社)
「山が楽しくなる地形と地学」(広島三朗 1991年 山と渓谷社)