2006/09/01

第2日 1 出発

3時50分に目覚ましが鳴る。あわただしく布団を片付け、小さなテーブルの上で昨日の内にもらっていた弁当を食べる。焼き魚を初めいろんなおかずが入っている。白米の上に白馬村で作った紫米がのせてある。
山小屋の弁当では上位の部類に入るのではないかと思う。昔は大きなおにぎりか、弁当箱にぎゅうぎゅうに入れたご飯に塩昆布など塩辛いものが添えられる程度だった。早く食べられない私は水で飲み込むようにして食べたが食べきれなかったものだ。
5時前に受け付けの前を通るが、昨日の解説員はまだ現れていない。本館の向こうにどこかの医大の診療所があり、続いてテント場がある。ここを左に折れたら行き止まりで戻り、右折で尾根の登山道に出る。
まだ日は出ていないようだがあせる。日が出ない内に撮影ポイントという丸山に行こう。早く、早く! いらちの私は小走りで丸山を目指した。
が、後を歩いていた昔山男に軍配があがった。日の出ていない内に写真を撮っていた、5時4分。丸山に登り切らない内に東を向くと太陽が出ていた、5時6分。下界に雲がかかっているが、山は雲一つない天気だとここに来て気がついた。西側を向くと剱岳と立山連峰がモルゲンロートに染まっていた。そして、その北側には雲に三角の山の影が映っている。白馬岳だろう。
日が差してきて、白馬岳頂上とその直下の白馬山荘、登山道の右の窪地に雪渓、続いて村営頂上宿舎と色とりどりのテントが見えてきた。
ピンクに染まる空や山々を楽しんだらゆっくりしていられない、5時17分。