2006/09/16

第3日 1 八方尾根へ

目覚ましが4時半に鳴った。剱のモルゲンロートを見たかったのだ。ひえー、アバラのあたりがバリバリ痛いし、背骨が体が固まって起きられない。昨日のクサリ場のせいだろうか。毎日ダンベルを振り回していても十分ではなかったようだ。
しばらくすると動くようになった。服を着て寒い時の用心に帽子を被ったところで昔山男が言った「出かける前にカーテンを開けて外を見てみたら」。カーテンを開けると外はガスって何も見えなかった。予報では晴れではなかったか。朝食は5時50分からなので再び横になる。

食堂に向かうと、カッパを着た人たちが出発していた。どうやら雨が降っているようだった。これで縦走断念の言い訳もできたなあ。カメラを持って行くのを忘れたので朝食の写真はなし。
準備ができたら山小屋を出て道中でゆっくりしよう。外に出たら雨は上がっていた。ガスで何も見えない中を出発、7時4分。

すぐに五竜との分岐。すぐ近くの牛首岳さえ見えない。「こんな天気では縦走してもしょうがない」と負け惜しみを言いつつ我々は八方尾根へ。 
雨がぱらついてきた。気楽な下りと思っていたらいきなり急斜面の荒れた道となった。昔山男は「ここが一番急な崖やな」などと言っている。気を引き締めて足元に注意して、ゆっくり歩こう。急ぐ必要はないし、八方尾根は花の宝庫なのだから。
一転して次の斜面はなだらかなお花畑。植物の学術調査をしているようだった、7時17分。一般人は立ち入り禁止。  雨はすぐにやんだが、次の斜面は板の橋を渡してある悪路となった。落石防止のネットまで張ってある。これが家族連れの観光客もやって来る八方尾根だったか?記憶にないなあなどと言いながら通過したが、後日5年前に登った時もこんなところがあったことを思い出した、7時21分。
崩落斜面はすぐに終わり、尾根に出た。これで上からの落石の心配はなくなったが、自分が転落する可能性はまだまだある。その後もほぼ尾根上の道を通っていった。
滑落するほどの傾斜もなくなってきたが、足をくじく危険性は最後の一歩まである。八方池から白馬三山や不帰嶮を眺めたかったので、ガスが消えないのが 心配になってくる。
向こうにケルンが見えてきた、7時56。一番最初にあるのは丸山ケルンのはずだが何も書かれていない。ケルンのそばでカッパを脱いでいる人たちが「向こうへ回らないと丸山ケルンのプレートが見えませんよ」と教えてくれた。登山道は手前(黄色い看板)なのに、プレートは右に回った側にあるというのは妙だ。ケルンのそばまで行って下を見ると昔の登山道があった。何かの理由で道が付け替えられたようだ。
我々もカッパを着ていると暑かったが、まだ雨が降るかも知れないと思い、脱ぐのは止めた。

こんな天気でも登る人は多い。ご苦労さん!
     この区間の花々