追い越され、追い越され、更に追い越されと、追い越され続けながらの山歩きの記録です。これから登ろうかという人たちへの参考にはなりません。どちらかというと、山に登ってみたいと思いながら実現できない人向けです。実際に歩いたらこんなもんかなあと思ってもらえれば幸いです。
2007/09/10
第1日11 頂上に挑戦
積み上げた毛布にもたれている内に眠ってしまった。3時頃に目が覚めると、花粉症の薬がやっと効いてきたのか、くしゃみがでなくなっていた。実は、登る途中から水ばなが出たり、くしゃみが出たりしていたので、昼食の時に薬をのんでいたのだが、室堂山荘に到着するまでくしゃみが止まらなかったのだった。犯人(アレルゲン)はタデではないかとにらんでいる。
散歩でもしようと外に出たら、真っ青な空に白山の頂上が浮かんでいた。神社の前では、自然観察会が開かれている。先ほどアナウンスしていたなあ。 花を見にちょっと歩いてみようと、神社の右側から登山道に出た。ここにもミヤマクロユリはなかった。
取り付きはまっすぐな上り坂。青空を見ながら歩いていると、頂上まで登れば北アルプスが見えるのではないかという気がしてきた。時たますれ違う人たちの満足げな顔を見るたびに、それは確信に変わっていった。
白山から今まで登った山々を眺めたいと登っても、いつも天候が悪いか視界が開けないかで見ることができなかったのだ。今見られるなら登ってみよう!ハイマツの間に登山道がある。そこでクルマユリを見つけた。あまり乗り気でない昔山男が写している間に、山姥は一人で登っていった。 段々雲が沸いてきた。頂上に着いた頃には曇ってしまうだろうか。ちょっとのつもりだったので、水を持ってきていない。太陽が照りつけるので脱水症が気になってきた。
それで、下りてきた人に聞いてみた。
「遠くの山は見えましたか?」
「白山の頂上は晴れてますが、遠くは雲に隠れて全然見えませんでしたよ」
そう言われてあっさりと引き返すことにした。
「明日のご来光に期待して登ったらいいですよ。4時頃起き出して登ると5時前に頂上に着いて、ご来光が見えるかもわかりませんよ」
「でも、4時だったら暗くて危険ですよね。ヘッドライトだけで登れますか?」
「そんなことないですよ。4時ならもう明るいですよ」
そんな話をしながら一緒に下りていると、昔山男が登ってきた。
「疲れているけど意地を見せた」のだそうな。 せっかく登ってきたので、しばらく周りの景色を眺めていた。
「明日4時頃起きて登ったらいいらしい」という話をしていたら、別の通りがかりの人が「センターの天気予報に明日の朝は曇りかガスって書いてありましたよ」と教えてくれた。やっぱり今年も見られずに終わるのかなあ。
室堂山荘はまだ雲の陰の中、15時38分。あれまあ、室堂平にも日が差して、向こうの別山も雲が切れてきた、15時50分。 下りてから眺めると頂上部は雲の陰が全くなくなっていた。雲一つない青空の下、白山の頂上にいる人たちは景色を楽しんでいるように見えるなあ、16時7分。 左側の雪渓はあんなに小さかったかなあ。立ち入り禁止のロープに洗濯物が掛けてあるのが何とも言えない。 夕食は5時から20分までに食堂に入るように言われていた。20分までに食べて下さいと言っているわけではありませんとも言われていたのでゆっくり食べることにしよう。
小屋によっては座る場所を指定されることもあるが、室堂山荘の食堂は広いので、どこに座ってもよいらしい。
基本的に山小屋はご飯と味噌汁はおかわり自由である。しっかり食べておこうと両方ともおかわりをもらいにいった。山小屋にしろどこにしろ、ご飯のおかわりをしたことがないので、昔山男が驚いていた。
夕食後、東の空を眺めていたが、入道雲がいろんな形に変わっていくだけで、山は見えなかった、18時。またくしゃみが出てきたので薬をのんだ。1日1錠寝る前に服用という薬を2錠ものんだせいか、部屋に戻ると眠くなってきた。夕日を見に出かける人もいたが、昔山男が行かないというので、山姥も出かけるのが面倒になってしまった。
日も落ちた頃戻ってきた人たちは、夕日がきれいだったという話もしなかった。見られへんかったの?などとぼんやりと思いながら、早々と眠ってしまった。
この区間の花