北アルプス方面は更に雲が薄くなって、山々の姿がはっきりしてきた、8時12分。 立山連峰と薬師の間の雲がとれた。龍王岳から薬師岳の方面に縦走した時は、五色ヶ原山荘とスゴ乗越小屋に泊まった。長い縦走路で、逃げ道がないせいか、あまり人の通らないコースだった。時間があればゆっくりと山々を眺めながら、もう少しはっきりと見えてくるのを待つのだが、今日はバスの最終が15時30分なので、出発。 しかし、案内板からどう進めばいいのかしばし迷った。そう言えば、ガスで何も見えない2年前の夏にもここで迷った。
進行方向がわからなくなったら踏み跡をたどれと言うが、その踏み跡が複数あって、どれが正しいのかわからない箇所も中にはある。その一つがここだった。上り坂を歩いた跡というよりも、正規の道だろうと思うような踏み跡である。登山道の右側に注意書きを書いた立て札が転がっている。
そして、案内板の左にもまっすぐうっすらと道らしきものもあるのだ。どれが正解?
歩き始めて、まっすぐ進もうとすると、石が取り囲む道は左カーブになっている。ここまで来てやっと山越え道は正規のルートではないことがわかった。その道はぐるりと向きを変えて上り坂となった。この辺りはお花畑。白山の頂上は今まであまり花がなかった。 白山は頂上部がこぢんまりとしていて、その割に池や高低差がある。晴れてさえいれば、凹凸の激しい庭を巡っているような気さえする。また剣ヶ峰や御前峰の続きの尾根が見えてきた。
先ほどの案内板の背後の道はこの坂道へのショートパスだったのだ。 御宝庫も見えてきた、8時19分。そして尾根?に出ると、また北アルプスの峰々が見えた。 白馬岳よりも向こうにも低い峰が姿を現したが、これらは白馬岳とは尾根筋が異なる。
ここからは翠ヶ池が三日月形に見える。 次は右の方に下りていくので、北アルプスはもう見えない。行く手に大岩が迫ってきた。 大岩までくると、これまでとはまた違った景色が広がっていた。しかし、見えている池がどれにあたるのか、よくわからなかった(池の名称は地図と見比べてわかった)。この大岩の右を回り込んで下りていく、8時19分。 このあたりは大岩があちこちにあるので、晴れた日には全部見通せてなんでもないが、濃いガスの中では同じところをぐるぐる回っているような気がしてくる。 やがて御宝庫が正面に見える場所に着いた、8時22分。右側には池がある。割合大きいので千蛇ヶ池だろうか。案内板に現在地のマークがないのでわかりにくい。 我々を追い越していった2人組は池の向こう。タデが多いので、また花粉症の症状が出てきた。 そして道標。大汝峰への道はここで分かれる。先ほどの2人組はこの道を行ったのだろう。大汝峰からまた北アルプスを眺めたかったが、時間的に余裕がない我々は室堂の方へ。
千蛇ヶ池まであと100m、ではさっきの池は? 右側に小さな池が見えてきた。 迂回ルートが頂上部から斜面へと変わるところまで来て地図を広げ、やっと2つの小さな池が、五色池と百姓池であることがわかった。 ここで山越えルートと、迂回ルートが分かれる。 そして雪渓があった。 山越えはしんどいから迂回ルートにしようと昔山男は言う。2年前も迂回ルートを通ったので山姥は山越えルートを通りたかったなあ。
右に五色池、岩のあたりに百姓池。 百姓池は水たまり程度、では「千蛇ヶ池までXXm」と標識に書いてあるほどの千蛇ヶ池はどこやったん?8時32分このように写真を見比べて、翠ヶ池に下りる前に左向こうに見えた池は千蛇ヶ池ではなく、血ノ池だったことがわかった。そして、千蛇ヶ池は雪渓の下に隠れて見えない池であることも。
この区間の山歩き