2008/09/11

3日目-4 仙丈ヶ岳頂上から見る北岳は姿がよい


ここまで来ると道はなだらか。正面に見えているのが仙丈ヶ岳頂上。ここからは藪沢カールの縁を通る。
地図はこちら  こういう風に見ると登山道は藪沢カール側と狭い尾根の上にあるのだが、通っている時はそれに気づかず、小仙丈沢カールは上からは見られないのだと思っていた。 ただ、その先に切れ込んだカ所があり、小仙丈沢カールの縁のギザギザの向こうに、段々と形を変えてきた北岳があった。小さなコブの上を通ったり、横を通り抜けたりした。
甲斐駒から見た北岳は小さく三角に尖っていたが、ここから(下の写真の撮影地点は仙丈ヶ岳頂上)は南北に張った尾根が山を大きく見せ、形が良い。仙丈から見た北岳が好きという人がいたが、実際に見るとなるほどと思う。西農鳥まで白峰三山が見渡せる。白峰は「しらね」と読むが、間違える人が多いからか、最近は白根と書いてあることもある。
雲がなかったら北岳の左肩向こうに富士山が見えるのになあ。我々にとっての富士山は、登る山ではなく、登った山から見る山なのだ。  仙丈は手前で左に回り込んで、道標のところから頂上へと登っていく。仙丈ヶ岳頂上(3033m)に到着、9:53。地図では1時間のところを約1時間半かかって登って参りました。それでも昨夜立て直した予定よりは早いです。 南には南アルプス南部の山々が雲に見え隠れしている。近くでも大仙丈(2975m)までは行ったことがない。大仙丈沢カールが見えるところまで行けばよかったなあ。
大仙丈は塩見まで続く仙塩尾根にあるので、大きなリュックを背負った健脚の人は通っていた。 塩見岳(3047m)のアップです。背後に悪沢岳(3141m)が見えている。 西には、雲に隠れてしまったと思っていた中央アルプスがかすかに見えた。 馬ノ背の向こうの鋸岳や甲斐駒は雲に隠れてしまった。
藪沢カールは記憶よりもずっと小さかった。三日月モレーンは実はモレーンではなくプロテーラス・ランバートだったことを『山が楽しくなる地形と地学』で知り、仙丈にはまた登ってみたいと思っていた。この三日月が氷河期以降にできたものなら、モレーンはどこにあるのだろう。 早いがここでラーメンを作って昼食。

この区間の花   

※参考文献
「山と高原地図41北岳・甲斐駒 南アルプス」(2008年 昭文社)
「山が楽しくなる地形と地学」(広島三朗 1991年 山と渓谷社)