ここまで来ると道はなだらか。正面に見えているのが仙丈ヶ岳頂上。ここからは藪沢カールの縁を通る。
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甲斐駒から見た北岳は小さく三角に尖っていたが、ここから(下の写真の撮影地点は仙丈ヶ岳頂上)は南北に張った尾根が山を大きく見せ、形が良い。仙丈から見た北岳が好きという人がいたが、実際に見るとなるほどと思う。西農鳥まで白峰三山が見渡せる。白峰は「しらね」と読むが、間違える人が多いからか、最近は白根と書いてあることもある。
雲がなかったら北岳の左肩向こうに富士山が見えるのになあ。我々にとっての富士山は、登る山ではなく、登った山から見る山なのだ。



大仙丈は塩見まで続く仙塩尾根にあるので、大きなリュックを背負った健脚の人は通っていた。



藪沢カールは記憶よりもずっと小さかった。三日月モレーンは実はモレーンではなくプロテーラス・ランバートだったことを『山が楽しくなる地形と地学』で知り、仙丈にはまた登ってみたいと思っていた。この三日月が氷河期以降にできたものなら、モレーンはどこにあるのだろう。

この区間の花
※参考文献
「山と高原地図41北岳・甲斐駒 南アルプス」(2008年 昭文社)
「山が楽しくなる地形と地学」(広島三朗 1991年 山と渓谷社)