白馬鑓ヶ岳の頂上を巻いて天狗山荘へ向かう。登山道が右の方へ長く伸びているのが見える。その先にはこれから行く山や遠くの峰々が全部見渡せる。
杓子岳・白馬鑓ヶ岳と白い山だったのに、向こうに見える天狗ノ頭は赤い、7時10分。まだ富士山も見えている。八ヶ岳の赤岳には7月に登ったのに、どのあたりかわからない。南アルプスは左から鳳凰三山・甲斐駒・北岳・仙丈と我々がかつて登った山々が並んでいる。それより右に見える山の名前はわからない。
まだ白馬鑓ヶ岳の白いガレ場の道だ、7時23分。南の方を見ると槍・穂高が!西側を見ると立山剱が! これからもっと北アルプス南部の山々が大きく見えてくるはずだ。谷を見下ろすと、向こうは赤いがこちらは白い。そして白い方に道がつけてあるようだ。きっと鑓温泉へ下りる道だろう。振り返ると白馬鑓ヶ岳の白い大きな斜面が見えた。そして、突然思い出した。5年前に逆コースを歩いた時は、「天狗の大下り」は晴れて暑い中を白いガレ場をジグザグに大登りしてうんざりだったと思っていたのは、この白馬鑓ヶ岳の頂上への道だったことを、7時31分。
天狗山荘までまだ登りがある。意外と道のりがあった。
このコブを右に巻いて登る。炎天下で暑い!と言って、昔山男はいつのまにかタオルで頬被りしていた。
ここが鑓温泉への分岐点。この道は猿倉の登山口からすぐのところにあった鑓温泉への分岐と繋がる道だ。昨日の解説員が「不帰嶮(かえらずのけん)は緊張して通るので滑落死した者はいない。帰って鑓温泉への道の方で死者が出ている」と言っていた道だ。どこまでが白い山で、どこからが赤い山か見極めたい、7時39分。 この区間の花々